岩手県の県花


岩手県の県花は「キリ」

切ってもすぐに芽を出して、成長が早いことから「切る」や「伐る」が語源となって名付けられたとされる「キリ(桐)」は、古くから良質の木材として知られていて、日用品の下駄や箪笥から琴や神楽面など芸術の分野まで、生活や文化に密接に関わり利用されてきたんだ。

名産地は、福島県(会津桐)新潟県(津南桐)、秋田県(秋田桐)、岩手県(南部の紫桐)。中でも岩手県の「南部の紫桐(しとう)」は、寒暖差が激しいことから、光沢が強く、淡い紫色を帯びた木目の美しい材となることで有名だよ。「キリ」は岩手県の県花としても紹介されていて、これはNHKが放送開始30周年を記念して公募によって郷土の花を選定し、昭和30年3月22日に発表されたものなんだ。

木材としてだけではなく、キリの花は、前の年につぼみを作って、翌年の5月頃、先端が5つに分かれた薄紫色の小花を枝の先端に円錐のかたちにたくさん集めて、甘い香りを漂わせながら咲かせる美しい木だよ。