大阪府の県花


大阪府の花(1)は「うめ」

大阪府の花として選ばれたのは、「さくらそう」と「うめ」で、どちらも大阪府にゆかりが深い花なんだ。

もとは、薬用として中国から渡来した「うめ」。春を迎える2月から3月頃に、葉っぱを芽吹かせる前に紅色や白色の可愛らしい花を咲かせること、幹や枝ぶりがゴツゴツとして趣があり、奥深いことから、梅干しや梅酒、ジャムなどの加工用だけではなく、観賞用として古くから好まれて、万葉集や漢詩、和歌などたくさんの題材となっているよ。

その中で、大阪府の花として「うめ」が選ばれる主な理由となった句があるんだ。古今和歌集にある「難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花」という歌で、現在の大阪市及びその辺りにおいて、寒さに耐え冬籠りをしていた梅の花が、春を感じ咲いた様子が詠まれたものだぞ。


大阪府の花(2)は「サクラソウ」

大阪府の花として選ばれたのは2種類の花だよ。ひとつは「うめ」。そしてもうひとつは「さくらそう」。「さくらそう」が選ばれたのは、大阪府千早赤阪村と奈良県御所市との府県境にある金剛山に、さくらそうの一種で「クリンソウ」の原生種が自生していることが主な理由なんだって。

「クリンソウ」は漢字で「九輪草」と書いて、ピンク色や白色の花が、茎を中心に一周ずつ段々になっていて、下の段から咲いていく様子が、お寺にある五重塔などの頂上の飾り「九輪」に見えることからこの名前がついたとされているんだ。

金剛山は頂上までのルートが整備されているから、登山を楽しむ際には、山肌にそっと生える「クリンソウ」を探してみよう。また、現在、鉢植えなどよく栽培されている、ヨーロッパで改良されて日本へやってきた、西洋桜草(プリムラ・ジュリアン)などの種類も「さくらそう」として、大阪府の花に含まれているぞ。